債務者の間で話題になっている過払い金、果たしてどのようなお金なのでしょうか。消費者金融からお金を借りるときには金利が付きます。金利とは、いわゆる利息のことで、元金残高と返済期間に応じて金利率から利息が割り出されます。金利は債権者と債務者の間で自由に取り決めて良いことになっていますが、無条件で自由化すると立場の弱い債務者が足元を見られて高い金利での貸付を受ける可能性があり公平ではありません。
そこで、利息制限法にて金利の上限を定め、その範囲で自由に取り決めていいことにしました。ただ、それとは別に高利貸しを禁止する出資法という法律も存在し、出資法の金利上限が利息制限法の金利上限を上回ってしまっていたのです。利息制限法の範囲で金利を設定することとしている反面で、出資法の金利上限を超えない限りは罰則はないという矛盾した法律になっており、利息制限法の金利上限~出資法の金利上限までの範囲が曖昧な金利区間として存在してしまいました。これをグレーゾーン金利と言います。
過払い金は、このグレーゾーン金利で貸付を受けたことで発生した利息分です。ようするに違法金利なのですが、消費者金融に刑事罰が科せられないことからグレーゾーン金利での貸付が横行してしまいました。しかし、返還請求を求めることで返してもらうことは可能です。これを過払い金返還請求と言います。
ちなみに、グレーゾーン金利は2010年に廃止されており、今後の借り入れに過払い金が発生する可能性はありません。